DIGS-1097
¥4,180
(本体¥3,800)
拳銃0号
拳銃だけが知っている………… 生と死の奇妙な運命!
主人公は拳銃。アメリカから日本へとやってきた一挺のコルトは殺し屋→スリ→孤児→ヴァイオリニスト→心中を決意した男女へ。
次から次へと持ち主を変えていき、凶悪な運命のいたずらが人々の人生を狂わせる!
一挺の拳銃が人々の人生を狂わせる、日活ガンアクション孤高のカルト作。トニーファン待望、赤木圭一郎の本格デビュー作がよみがえる!
◎和製ジェームズ・ディーンと呼ばれた日活アクションスター、21歳の若さで夭折した“トニー”こと赤木圭一郎の本格デビュー作が待望のDVD化。赤木演じる不良少年がコルトをぶっ放す。川地民夫を筆頭に岡田真澄、待田京介、宍戸錠、稲垣美穂子、南風夕子と日活の若手スターが総出演、53分の中篇ながらコルトの一人称(声は小沢昭一!)であれよあれよと展開するスリルとユーモアの人間交差点。
三保敬太郎のジャズが凝縮されたドラマを引き立てる。コルトの行方とともに後楽園ゆうえんち、東急文化会館屋上など昭和の風景も次々と登場。安部徹、浜村純ほか脇を固める俳優陣の演技も見どころだ。
◎監督は「事件記者」シリーズで熱い再評価を集めている山崎徳次郎。デビュー2作目にして異色の拳銃劇を手際よく演出した。トリッキーな脚本は寺田信義、米谷純一、前田満州夫の共作。寺田信義は『洲崎パラダイス 赤信号』の共同脚本を手がけており、米谷純一はピンク映画第1号とされる『肉体市場』を執筆、前田満州夫は本作のチーフ助監督であり、先にDVDリリースされた『殺人者(ころし)を追え!』『人間に賭けるな』ほか監督しても絶品を残した。
◎一着のタキシードをめぐるオムニバス……巨匠ジュリアン・デュヴィヴィエの『運命の饗宴』のコルト版といったストーリーだが、3人がかりで練られたシナリオは、まるでクエンティン・タランティーノの『パルプ・フィクション』を先取りしたかのよう。拳銃でおなじみ大藪春彦のバイオレンス小説『凶獣ルーガー08』『凶獣ワルサーP38』よりも早い!
【公開当時の惹句】
・コルト0号の数奇な旅路に秘められた恐怖と愛憎の人間模様!
・拳銃(コルト)だけが知っている…… 銃口に秘められた生と死の数奇な運命!
・やくざの復讐に、情痴の清算に、運命の糸をあやつる数奇な銃口の冷たき輪舞!
・殺し屋→スリ→孤児→ヴァイオリニスト→そしてアベック心中に…… コルト0号が辿る数奇な運命!
【ロケ地】
大田区:羽田空港/港区:新橋の国鉄ガード、竹芝桟橋)/千代田区:御茶ノ水・聖橋と国鉄の立体交差点/文京区:丸の内線後楽園駅、後楽園遊園地/渋谷区:東急文化会館/中央区:有楽町側
※原盤の状態により見づらい部分、聞きづらい部分があることをあらかじめご了承ください。
■DVD版の予告編は こちら
※高鳥都氏(ライター)による解説は
こちら
DVD特典
映像特典:オリジナルポスター画像
封入特典:プレスシート縮尺再編集版(日本語版)
※オリジナル予告編は収録されていません。
【スタッフ】
監督:山崎徳次郎/脚本:寺田信義、米谷純一、前田満州夫/音楽:三保敬太郎
撮影:松橋梅夫/助監督:前田満州夫
【キャスト】
川地民夫、岡田真澄、待田京介、宍戸錠、赤木圭一郎、南風夕子
稲垣美穂子、安部徹、小沢昭一(解説・コルト)
公開年度:1959年/本編53分
©日活株式会社
推薦コメント〉
あの男は満員の痴漢電車の乗客だった。車内エキストラのくせに「この後、撮影をを見学してもいいですか?」と終日撮影にまとわりつき、いつの間にか獅子プロにもぐり込んでいた。普段はマジメで寡黙・が・酒が入ると訳のわからぬ大法螺吹きに大変身、失敗多数。つくづくアウトプット下手なれど、思いを打ちまけたデビュー作で見事に意気衝天!
観る側にもエネルギーを求める佐藤寿保映画の初号試写で感心したことを思い出した。
滝田洋二郎(映画監督)
20才代の頃、佐藤寿保さんの映画の助監督をつとめた。ツラかったが、なぜか嫌な思い出じゃない。どちらかというと自慢したい。佐藤寿保さんは変わらない。「止まっているってことと、変わらないってことは違うんだ」寿保さんのことを考えるといつも故PANTAさんの言葉を思い出す。羨ましいと思う。その原点である映画が新たに陽の目を見る。祝福です!
瀬々敬久(映画監督)
ピンク映画はセックスではなく不能と鬱屈を描くものであり、鬱屈と暴力は若者の特権だ。『激愛!ロリータ密猟』の誰よりも深い絶望は、いまなお我らの胸をかきむしる。
柳下毅一郎(映画評論家/翻訳家)
嫌な気持ちにさせてくれるディテール。しかし気づくとスッキリさせてくれる。ざっくりと言えば「ヒドイ」映画なのだが、この『激愛!ロリー密猟』の場合それが最上級の褒め言葉にいつしか化けてしまう、とにかくヒドイ映画。必見!
根本敬(特殊漫画家)
この映画を観て映画制作を志したと云っても過言ではない名作中の名作。
小林良二(映画プロデューサー)
コンプラ遵守、ジェンダー平等、ハードコア・ポリコレな21世紀の現代に、時空の裂け目が生じ、20世紀の闇から堕ちてきたピンク色の歪な残像!!!!! こんな奇想の封印を解くなんて、不適切にもほどがある!!!!!!!
宇川直宏(“現在”美術家/DOMMUNE主宰)
陰鬱とした狂気が棲む地下の部屋。新宿の強烈な眩しさ。赤いハイヒールに流れる血。シャッターを切り自ら脱ぐ伊藤清美さんに全身をぶち抜かれた。この作品を見たばっかりに、佐藤寿保作品を求めいまだ亡霊のように彷徨い続けている。
遠藤倫子 (映画zine ORGARM発行人)
私には「死んだら棺桶に入れるものリスト」がある。
そこにこの映画のタイトルを記す夢が叶った。
だからもう、いつ死んでもいい。
シブヤメグミ (バー浮かぶ・二代目店主)
淫乱と暴力と初期衝動!
ノイズやパンク、ロックに造詣が深いところにも衝撃を受けました。
そんな寿保監督のデビュー作が家で観られるなんて!
中原昌也(ミュージシャン/文筆家/映画評論家)
孤独で混乱した精神の前に、無邪気な人々が行き交う雑踏のどれほど残酷なことか。1985年、バブル直前の新宿に、決して救われ得ない2つの魂が交錯するとき、血と淫欲が〈イノセンス〉を塗り潰す! 身を立て! 名をあげ! やよ励めよ! 真の解放はいつも、血まみれのイニシエーションの先にしか残されていないのだから。
髙橋ヨシキ(アートディレクター/映画評論家/サタニスト)
私が20歳だった頃の新宿が舞台。毎日のように新宿にいた頃。観ているうちに当時の頭の中をのぞいているような気分になった。不安と根拠のない自信のカオス。ラスト近くのヒロインが不思議な美しさだった。
古市コータロー(ミュージシャン)
かつてピンク映画館なるものが街中にあった頃、青少年たちは自分の内に秘めた性衝動を、暴力を、妄想を、青暗いスクリーンの中に投影させていた。
じっとり湿ったシートを、男女のまぐわいを照らし出すぼんやりとした映写機の明かりを、そのやりきれなさを。
すべて爆発させるために、パンクするしかなかった。
映画館を、新宿を、狂った触覚がパンクする。
松永天馬(ミュージシャン アーバンギャルド/松永天馬のA研!)
薄暗闇が終始美しい映画だった。裸電球と炬燵の光に晒される素肌と陰影。ココロとカラダを温めあうのが下手くそ過ぎる悲しい人間たち。誰もいない夜明けの新宿通りのカットはハタチの時の自分の視線ではないかと錯覚した。
宙也(ミュージシャン アレルギー/De-LAX/LOOPUS)
デビュー作にして、すでに寿保度数120%の傑作! 瑞々しいボーイミーツガールの物語を、問答無用の過激な暴力と流れ落ちる血の鮮烈さが彩る。ゲリラ撮影の80年代新宿の、人が溢れながらも冷ややかな光景が最高!
真魚八重子(映画評論家)