DIGS-1087
¥4,180
(本体¥3,800)
現代悪党仁義
中平康&宍戸錠、二谷英明のろくでなしコンビによる痛快アクションコメディ
ヌーヴェル・ヴァーグの作家たちにも強い影響を与え、再評価が高まる一方の天才監督復刻シリーズ「リスペクト中平康!」第四弾は中平流『オーシャンと11人の仲間』(Ocean's Eleven/1960年)ともいうべき痛快作!
◎中平康が「笑いをふんだんに盛ったシャレた映画にしたい」とノリにノッて作り上げた痛快犯罪コメディ。これぞ中平流『オーシャンと11人の仲間』(Ocean's Eleven/1960年)!
◎原作者は大阪府警の現職の警部であり、登場人物はすべて実在し本当にあった話とされている。
◎の強烈な個性のぶつかり合い。詐欺師グループVS詐話師グループのあの手この手の出し抜き合い!そしてなにより、宍戸錠と二谷英明のエネルギッシュな演技のぶつかり合いに見る者は手に汗握り、心を躍らせカタルシス!これこそ見事な娯楽作。
◎宍戸・二谷の他に桂小金治、井上昭文、土方弘、武藤章生、天坊準、榎木兵衛、桂小かん、近江大介、柳瀬志郎ら映画通が小躍りする達者な脇役俳優たちが勢ぞろい。時に主役を喰うほどの活躍を見せてくれる。
◎全編を昭和40年の大阪でロケした「大阪映画」であり、貴重な時代の記録である。ポンポン繰り出される関西弁のテンポが映画全体にのエネルギッシュな味わいを加えている。
◎悪党たちの巧みなチームプレー等、中平康ならでは勢いのある演出、セリフ、カット割、編集は105分をまったく飽きさせることがない。
※佐藤利明氏(娯楽映画研究家)による解説はこちら
■DVD版の予告編は こちら
DVD特典
映像特典:劇場用予告編+オリジナルポスター画像
封入特典:プレスシート縮尺再編集版
【スタッフ】
監督:中平康/脚本:若井基成/音楽:三保敬太郎/原作:佐川桓彦/撮影:山崎善弘
【キャスト】
宍戸錠、二谷英明、桂小金治、稲野和子、山本陽子、井上昭文、藤村有弘(特別出演)
谷村昌彦(特別出演)、小沢昭一(特別出演)
公開年度:1965年/本編103分
©日活株式会社
推薦コメント〉
あの男は満員の痴漢電車の乗客だった。車内エキストラのくせに「この後、撮影をを見学してもいいですか?」と終日撮影にまとわりつき、いつの間にか獅子プロにもぐり込んでいた。普段はマジメで寡黙・が・酒が入ると訳のわからぬ大法螺吹きに大変身、失敗多数。つくづくアウトプット下手なれど、思いを打ちまけたデビュー作で見事に意気衝天!
観る側にもエネルギーを求める佐藤寿保映画の初号試写で感心したことを思い出した。
滝田洋二郎(映画監督)
20才代の頃、佐藤寿保さんの映画の助監督をつとめた。ツラかったが、なぜか嫌な思い出じゃない。どちらかというと自慢したい。佐藤寿保さんは変わらない。「止まっているってことと、変わらないってことは違うんだ」寿保さんのことを考えるといつも故PANTAさんの言葉を思い出す。羨ましいと思う。その原点である映画が新たに陽の目を見る。祝福です!
瀬々敬久(映画監督)
ピンク映画はセックスではなく不能と鬱屈を描くものであり、鬱屈と暴力は若者の特権だ。『激愛!ロリータ密猟』の誰よりも深い絶望は、いまなお我らの胸をかきむしる。
柳下毅一郎(映画評論家/翻訳家)
嫌な気持ちにさせてくれるディテール。しかし気づくとスッキリさせてくれる。ざっくりと言えば「ヒドイ」映画なのだが、この『激愛!ロリー密猟』の場合それが最上級の褒め言葉にいつしか化けてしまう、とにかくヒドイ映画。必見!
根本敬(特殊漫画家)
この映画を観て映画制作を志したと云っても過言ではない名作中の名作。
小林良二(映画プロデューサー)
コンプラ遵守、ジェンダー平等、ハードコア・ポリコレな21世紀の現代に、時空の裂け目が生じ、20世紀の闇から堕ちてきたピンク色の歪な残像!!!!! こんな奇想の封印を解くなんて、不適切にもほどがある!!!!!!!
宇川直宏(“現在”美術家/DOMMUNE主宰)
陰鬱とした狂気が棲む地下の部屋。新宿の強烈な眩しさ。赤いハイヒールに流れる血。シャッターを切り自ら脱ぐ伊藤清美さんに全身をぶち抜かれた。この作品を見たばっかりに、佐藤寿保作品を求めいまだ亡霊のように彷徨い続けている。
遠藤倫子 (映画zine ORGARM発行人)
私には「死んだら棺桶に入れるものリスト」がある。
そこにこの映画のタイトルを記す夢が叶った。
だからもう、いつ死んでもいい。
シブヤメグミ (バー浮かぶ・二代目店主)
淫乱と暴力と初期衝動!
ノイズやパンク、ロックに造詣が深いところにも衝撃を受けました。
そんな寿保監督のデビュー作が家で観られるなんて!
中原昌也(ミュージシャン/文筆家/映画評論家)
孤独で混乱した精神の前に、無邪気な人々が行き交う雑踏のどれほど残酷なことか。1985年、バブル直前の新宿に、決して救われ得ない2つの魂が交錯するとき、血と淫欲が〈イノセンス〉を塗り潰す! 身を立て! 名をあげ! やよ励めよ! 真の解放はいつも、血まみれのイニシエーションの先にしか残されていないのだから。
髙橋ヨシキ(アートディレクター/映画評論家/サタニスト)
私が20歳だった頃の新宿が舞台。毎日のように新宿にいた頃。観ているうちに当時の頭の中をのぞいているような気分になった。不安と根拠のない自信のカオス。ラスト近くのヒロインが不思議な美しさだった。
古市コータロー(ミュージシャン)
かつてピンク映画館なるものが街中にあった頃、青少年たちは自分の内に秘めた性衝動を、暴力を、妄想を、青暗いスクリーンの中に投影させていた。
じっとり湿ったシートを、男女のまぐわいを照らし出すぼんやりとした映写機の明かりを、そのやりきれなさを。
すべて爆発させるために、パンクするしかなかった。
映画館を、新宿を、狂った触覚がパンクする。
松永天馬(ミュージシャン アーバンギャルド/松永天馬のA研!)
薄暗闇が終始美しい映画だった。裸電球と炬燵の光に晒される素肌と陰影。ココロとカラダを温めあうのが下手くそ過ぎる悲しい人間たち。誰もいない夜明けの新宿通りのカットはハタチの時の自分の視線ではないかと錯覚した。
宙也(ミュージシャン アレルギー/De-LAX/LOOPUS)
デビュー作にして、すでに寿保度数120%の傑作! 瑞々しいボーイミーツガールの物語を、問答無用の過激な暴力と流れ落ちる血の鮮烈さが彩る。ゲリラ撮影の80年代新宿の、人が溢れながらも冷ややかな光景が最高!
真魚八重子(映画評論家)