DIGS-1054
小林多喜二
≪HDニューマスター版≫
奇跡の初DVD化!闇があるから光がある--来るべき明日を予見しつつ 愛しつづけて 信じつづけて 激しく時代を行きぬいた青年多喜二--その愛と死のモニュメント!
予告編はこちらをご覧ください 予告編
◎「蟹工船」、1929年に発表されたにも関わらず現在のどん詰まりな労働環境をえぐるかの内容で今もなお多くの若者の心を激しく揺さぶるプロレタリア文学の金字塔である。その作者、小林多喜二は1933年2月20日東京築地署で拷問のために29才4ヶ月の生涯を閉じた・・・
◎監督は社会派映画の巨匠の今井正(『青い山脈』、『真昼の暗黒』、『武士道残酷物語』)、低予算を逆手に取った“見せて魅せる”演出はさすがの一言。全国の有志が一体となって製作から上映運動に至るまで力を合わせて生み出した情熱的傑作。これまでビデオ化もされなかったため見る機会がなかなかなく、稀に行われる上映会で見られるフィルムもかなり劣化していたため、オリジナルネガからのDVD化は多くのファンに待ち望まれていた。
◎小林多喜二を演じるのは、社会派映画では絶対絶対必要な名優 山本圭。その他、中野良子、北林谷栄、富士真奈美、長山藍子、鈴木瑞穂、地井武男、悠木千帆(樹木希林) ら、実力も人気も兼ね備えた豪華なメンバーが本作をさらに輝かせている。
【セルのみの特典】
◎公開時パンフレット縮尺再編集版
◎町山智浩氏(映画評論家)による解説文
※小林多喜二役を演じた山本圭氏のスペシャルインタビューはこちら
【スタッフ】
監督:今井正
脚本:勝山俊介 -手塚英孝著「小林多喜二」より-
製作:伊藤武郎,内山義重
撮影:中尾駿一郎
美術:平川透徹
音楽:いずみたく
録音:安恵重遠
照明:平田光治
編集:渡辺士郎
助監督:臼井高瀬
【キャスト】
山本圭、中野良子、森幹太、北林谷栄、佐藤オリエ、富士真奈美、
杉山とく子、寺田誠、滝田裕介、長山藍子、鈴木瑞穂、下絛正巳、
地井武男、悠木千帆(現 樹木希林) 、横内正(語り) 他
★オリジナルネガからテレシネしたニューマスターを使用。
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≪お詫びと訂正≫
本DVDに封入されております解説文の表記(2ページ23行目)に誤りがございました。
(誤)多喜二が殺された1932年に東京帝国大学に入学し、
(正)多喜二が殺された1933年に東京帝国大学に入学し、
ご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。お詫びして訂正いたします。
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推薦コメント〉
あの男は満員の痴漢電車の乗客だった。車内エキストラのくせに「この後、撮影をを見学してもいいですか?」と終日撮影にまとわりつき、いつの間にか獅子プロにもぐり込んでいた。普段はマジメで寡黙・が・酒が入ると訳のわからぬ大法螺吹きに大変身、失敗多数。つくづくアウトプット下手なれど、思いを打ちまけたデビュー作で見事に意気衝天!
観る側にもエネルギーを求める佐藤寿保映画の初号試写で感心したことを思い出した。
滝田洋二郎(映画監督)
20才代の頃、佐藤寿保さんの映画の助監督をつとめた。ツラかったが、なぜか嫌な思い出じゃない。どちらかというと自慢したい。佐藤寿保さんは変わらない。「止まっているってことと、変わらないってことは違うんだ」寿保さんのことを考えるといつも故PANTAさんの言葉を思い出す。羨ましいと思う。その原点である映画が新たに陽の目を見る。祝福です!
瀬々敬久(映画監督)
ピンク映画はセックスではなく不能と鬱屈を描くものであり、鬱屈と暴力は若者の特権だ。『激愛!ロリータ密猟』の誰よりも深い絶望は、いまなお我らの胸をかきむしる。
柳下毅一郎(映画評論家/翻訳家)
嫌な気持ちにさせてくれるディテール。しかし気づくとスッキリさせてくれる。ざっくりと言えば「ヒドイ」映画なのだが、この『激愛!ロリー密猟』の場合それが最上級の褒め言葉にいつしか化けてしまう、とにかくヒドイ映画。必見!
根本敬(特殊漫画家)
この映画を観て映画制作を志したと云っても過言ではない名作中の名作。
小林良二(映画プロデューサー)
コンプラ遵守、ジェンダー平等、ハードコア・ポリコレな21世紀の現代に、時空の裂け目が生じ、20世紀の闇から堕ちてきたピンク色の歪な残像!!!!! こんな奇想の封印を解くなんて、不適切にもほどがある!!!!!!!
宇川直宏(“現在”美術家/DOMMUNE主宰)
陰鬱とした狂気が棲む地下の部屋。新宿の強烈な眩しさ。赤いハイヒールに流れる血。シャッターを切り自ら脱ぐ伊藤清美さんに全身をぶち抜かれた。この作品を見たばっかりに、佐藤寿保作品を求めいまだ亡霊のように彷徨い続けている。
遠藤倫子 (映画zine ORGARM発行人)
私には「死んだら棺桶に入れるものリスト」がある。
そこにこの映画のタイトルを記す夢が叶った。
だからもう、いつ死んでもいい。
シブヤメグミ (バー浮かぶ・二代目店主)
淫乱と暴力と初期衝動!
ノイズやパンク、ロックに造詣が深いところにも衝撃を受けました。
そんな寿保監督のデビュー作が家で観られるなんて!
中原昌也(ミュージシャン/文筆家/映画評論家)
孤独で混乱した精神の前に、無邪気な人々が行き交う雑踏のどれほど残酷なことか。1985年、バブル直前の新宿に、決して救われ得ない2つの魂が交錯するとき、血と淫欲が〈イノセンス〉を塗り潰す! 身を立て! 名をあげ! やよ励めよ! 真の解放はいつも、血まみれのイニシエーションの先にしか残されていないのだから。
髙橋ヨシキ(アートディレクター/映画評論家/サタニスト)
私が20歳だった頃の新宿が舞台。毎日のように新宿にいた頃。観ているうちに当時の頭の中をのぞいているような気分になった。不安と根拠のない自信のカオス。ラスト近くのヒロインが不思議な美しさだった。
古市コータロー(ミュージシャン)
かつてピンク映画館なるものが街中にあった頃、青少年たちは自分の内に秘めた性衝動を、暴力を、妄想を、青暗いスクリーンの中に投影させていた。
じっとり湿ったシートを、男女のまぐわいを照らし出すぼんやりとした映写機の明かりを、そのやりきれなさを。
すべて爆発させるために、パンクするしかなかった。
映画館を、新宿を、狂った触覚がパンクする。
松永天馬(ミュージシャン アーバンギャルド/松永天馬のA研!)
薄暗闇が終始美しい映画だった。裸電球と炬燵の光に晒される素肌と陰影。ココロとカラダを温めあうのが下手くそ過ぎる悲しい人間たち。誰もいない夜明けの新宿通りのカットはハタチの時の自分の視線ではないかと錯覚した。
宙也(ミュージシャン アレルギー/De-LAX/LOOPUS)
デビュー作にして、すでに寿保度数120%の傑作! 瑞々しいボーイミーツガールの物語を、問答無用の過激な暴力と流れ落ちる血の鮮烈さが彩る。ゲリラ撮影の80年代新宿の、人が溢れながらも冷ややかな光景が最高!
真魚八重子(映画評論家)