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DIGS-1002
山本という名の青年はゆきずりの日本人とケンカし、傷を負ってさまよっている時に川へ身投げした少女を助ける。少女は方順紅という名の在日コリアンであり、高い民族意識を持っていた。それとは対照的に山本は李史礼という名前を持つ在日コリアンでありながら、それをひた隠しにして生きていた。史礼は順紅にも素性を隠していたが、意を決して彼女に「俺は李史礼だ!朝鮮人だ!」と告白する。その後、反朴政権運動の活動家で行方不明となった順紅の父親を探すうちに史礼は偽りの日本人であることよりも韓国人であることの誇りに目覚めていく。そして、日本に来た反朴ジャーナリストとの出会いと別れがきっかけとなり、KCIAさらには朴政権に対する史礼の怒りは頂点に達する。
日活で神代辰巳、藤田敏八、曽根中生などの助監督を務めた韓国籍の李學仁(イ・ハギン)による監督デビュー作。主役のジョニー大倉は自身の韓国名、朴雲煥(パク・ウナン)を名乗り力演。また、本作の企画意図に共鳴した中村敦夫が出資・プロデュース・出演を務め、他にも大関優子(佳那晃子)、米倉斉加年、常田富士男、小松方正、柳生博ら実力派俳優達が脇を固めている。ジョニーが歌うテーマ曲『いつになったら』が本作の骨子を鋭く突き、心に深く刻まれる。李學仁監督は後に三国志劇画『蒼天航路』の原作者として名を馳せることとなる。(1975年公開作品)
「素晴らしい青春映画であり、ジョニー萌えのアイドル映画として完璧だ!」
(映画評論家・町山智浩)
[スタッフ]
監督・脚本:李學仁(イ・ハギン)
製作:中村敦夫、李學仁
撮影:安承玟(アン・スンミン)
音楽:ジョニー大倉 主題歌『いつになったら』
[キャスト]
朴雲煥(パク・ウナン/ジョニー大倉)、大関優子(現 佳那晃子)、菅貫太郎、
中村敦夫、宇津宮雅代、馬渕晴子、米倉斉加年、河原崎長一郎、常田富士男、
小松方正、絵沢萠子、粟津號、柳生博、藤田敏八、東野孝彦(英心)