©1988 KATSUJIN DO CINEMA

DIGS-1012

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大正末期の九州。古い大学病院の精神科病棟で若い男が目を覚ます。彼には記憶がない-そこへ現れた若林教授と謎の死を遂げたはずの正木博士が彼の記憶をたどっていく。表出する奇怪な因縁で彩られた猟奇的事件。もつれる記憶の糸に絡みつく猟奇と狂気、遺伝する心理、虚と実、揺らぐ時空間。この物語に終わりは来るのか、それとも永遠に続いていくのか・・・


「実写映画化は不可能」、「読破した者は精神に異常をきたす」(実際に横溝正史は読後「気分が変になり夜中に暴れた」という)と言われた日本文学史に残る奇書『ドグラ・マグラ』(1935年刊)を見事に映画化した大傑作。斬新な映像美で知られる松本俊夫の演出の極み、鬼才 大和屋竺の筆致が光る脚本、桂枝雀の並外れた演技力、難解極まりない世界観を具現化した美術(木村威夫)、撮影(鈴木達夫)の素晴らしさは特筆すべきものであり、この映画をより高いステージへと運ぶ見事な触媒である。


[スタッフ]
原作:夢野久作
監督:松本俊夫
脚本:松本俊夫/大和屋竺
撮影:鈴木達夫
美術:木村威夫/斎藤岩男
音楽:三宅榛名
製作:柴田秀司/清水一夫
[キャスト]
桂枝雀、室田日出男、松田洋治、三沢恵里、江波杏子、小林かおり、森本レオ、
灰地順、渡辺文雄(特別出演)、飯島大介、北見治一、(人形)ホリ・ヒロシ


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