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広大な団地アパートのある東京の郊外。石川直子、英一夫婦はこのアパートに住んでいる。ある朝直子は、バタヤ集落の火事の音で目が覚めた。白いコンクリートの城壁に住む団地族、それと対照的にあるうすぎたないバタヤ集落。直子は、ブリキと古木材の焼跡で無心に土を掘り返す盲目の少女をみつけた。その少女は、夫の英一の大学時代の友人でこのバタヤ集落に住む伊古奈と呼ばれる男が連れている少女であった。伊古奈はいつも犬のクマを連れて廃品回収をしている。長い金網のサクで境界線を作った団地とバタヤ集落とは別世界の様な二つの世界であった。夫を送り出したあとコンクリートの部屋で弧独の時間を送る直子に、伊古奈という男は意識の底に残った。


『不良少年』(1961年)で衝撃的な劇映画デビューを果たした天才監督、羽仁進が監督した3作目『彼女と彼』が念願の初ソフト化!新興マンモス団地(百合丘団地)とそこに隣接する貧民窟との対立を背景に、都会生活の孤独と行方を失った愛情、砂がさらさらこぼれるような希薄な人間関係の深部を描いた問題作。前衛画家山下菊二の名演技が光る傑作。(1963年劇場公開)


★ベルリン国際映画祭特別賞受賞、キネマ旬報ベストテン7位
セルDVDのみ羽仁進監督インタビュー記事掲載(インタビュアー:真魚八重子)


[スタッフ]
監督:羽仁進
脚本:羽仁進 清水邦夫
音楽:武満徹
撮影:長野重一
製作:小口禎三 中島正幸
[キャスト]
左幸子、岡田英次、山下菊二、他


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