DIGS-1076
¥3,800(税抜)
惜しまれつつも2020年4月に逝去した偉大な映画人、大林宣彦監督......
「火曜サスペンス劇場」を語る上で欠かせないCM前後の名アイキャッチも放送当時のまま収録!
198X年-若手脚本家・志村良平は最近スランプで悩みがちだった。そこへチャンスが訪れる。日本のクレオパトラと言われた伝説の美人女優、竜造寺明子のカムバック映画のシナリオを依頼されたのだった。良平は早速明子と対面するが、我が目を疑った。もう老人のはずの明子は若く見目麗しい女性だったのだ。良平は明子の住む邸宅に住み込みでシナリオ執筆を行うことになる。その邸宅で明子と同居する映画監督・水森は良平に「明子さんを抱いてはいけないよ」と忠告する。実は良平が抜擢されたのには驚きの理由があったのだ…
かつて「日本のハリウッド」と呼ばれた尾道にある「瀬戸内キネマ」を舞台に、不老の伝説的美人女優をめぐるミステリー。物語の主軸を務めるのは、かつて「化け猫映画」で名をはせた入江たか子とその娘、入江若葉(二人一役!)。ビリー・ワイルダー作品を思わせる設定、その他 セリフ、撮影、美術、音楽、演出...細部に至るまで詰め込まれた“映画愛”に胸が熱くなる。
大林宣彦監督がこだわり続けた「映画の虚構性」「映画でしかつけない嘘」が満載の実に大林宣彦らしい作品であり、大林宣彦にしか作れない傑作。
テレビ初放送:1983年8月30日(日本テレビ系列)
ロケ地:尾道市
【スタッフ】
監督:大林宣彦
脚本:桂千穂
撮影:阪本善尚
音楽:三枝成章、大林宣彦
プロデューサー:山口剛、宍倉徳子
製作:円谷プロダクション、日本テレビ
主題歌:「家路」岩崎宏美
【キャスト】
入江たか子
入江若葉
柄本明
風吹ジュン
大泉滉
峰岸徹、平田昭彦、千石規子、坊屋三郎、大前均、内藤陳、伊豆肇、佐藤允
©円谷プロ
推薦コメント〉
あの男は満員の痴漢電車の乗客だった。車内エキストラのくせに「この後、撮影をを見学してもいいですか?」と終日撮影にまとわりつき、いつの間にか獅子プロにもぐり込んでいた。普段はマジメで寡黙・が・酒が入ると訳のわからぬ大法螺吹きに大変身、失敗多数。つくづくアウトプット下手なれど、思いを打ちまけたデビュー作で見事に意気衝天!
観る側にもエネルギーを求める佐藤寿保映画の初号試写で感心したことを思い出した。
滝田洋二郎(映画監督)
20才代の頃、佐藤寿保さんの映画の助監督をつとめた。ツラかったが、なぜか嫌な思い出じゃない。どちらかというと自慢したい。佐藤寿保さんは変わらない。「止まっているってことと、変わらないってことは違うんだ」寿保さんのことを考えるといつも故PANTAさんの言葉を思い出す。羨ましいと思う。その原点である映画が新たに陽の目を見る。祝福です!
瀬々敬久(映画監督)
ピンク映画はセックスではなく不能と鬱屈を描くものであり、鬱屈と暴力は若者の特権だ。『激愛!ロリータ密猟』の誰よりも深い絶望は、いまなお我らの胸をかきむしる。
柳下毅一郎(映画評論家/翻訳家)
嫌な気持ちにさせてくれるディテール。しかし気づくとスッキリさせてくれる。ざっくりと言えば「ヒドイ」映画なのだが、この『激愛!ロリー密猟』の場合それが最上級の褒め言葉にいつしか化けてしまう、とにかくヒドイ映画。必見!
根本敬(特殊漫画家)
この映画を観て映画制作を志したと云っても過言ではない名作中の名作。
小林良二(映画プロデューサー)
コンプラ遵守、ジェンダー平等、ハードコア・ポリコレな21世紀の現代に、時空の裂け目が生じ、20世紀の闇から堕ちてきたピンク色の歪な残像!!!!! こんな奇想の封印を解くなんて、不適切にもほどがある!!!!!!!
宇川直宏(“現在”美術家/DOMMUNE主宰)
陰鬱とした狂気が棲む地下の部屋。新宿の強烈な眩しさ。赤いハイヒールに流れる血。シャッターを切り自ら脱ぐ伊藤清美さんに全身をぶち抜かれた。この作品を見たばっかりに、佐藤寿保作品を求めいまだ亡霊のように彷徨い続けている。
遠藤倫子 (映画zine ORGARM発行人)
私には「死んだら棺桶に入れるものリスト」がある。
そこにこの映画のタイトルを記す夢が叶った。
だからもう、いつ死んでもいい。
シブヤメグミ (バー浮かぶ・二代目店主)
淫乱と暴力と初期衝動!
ノイズやパンク、ロックに造詣が深いところにも衝撃を受けました。
そんな寿保監督のデビュー作が家で観られるなんて!
中原昌也(ミュージシャン/文筆家/映画評論家)
孤独で混乱した精神の前に、無邪気な人々が行き交う雑踏のどれほど残酷なことか。1985年、バブル直前の新宿に、決して救われ得ない2つの魂が交錯するとき、血と淫欲が〈イノセンス〉を塗り潰す! 身を立て! 名をあげ! やよ励めよ! 真の解放はいつも、血まみれのイニシエーションの先にしか残されていないのだから。
髙橋ヨシキ(アートディレクター/映画評論家/サタニスト)
私が20歳だった頃の新宿が舞台。毎日のように新宿にいた頃。観ているうちに当時の頭の中をのぞいているような気分になった。不安と根拠のない自信のカオス。ラスト近くのヒロインが不思議な美しさだった。
古市コータロー(ミュージシャン)
かつてピンク映画館なるものが街中にあった頃、青少年たちは自分の内に秘めた性衝動を、暴力を、妄想を、青暗いスクリーンの中に投影させていた。
じっとり湿ったシートを、男女のまぐわいを照らし出すぼんやりとした映写機の明かりを、そのやりきれなさを。
すべて爆発させるために、パンクするしかなかった。
映画館を、新宿を、狂った触覚がパンクする。
松永天馬(ミュージシャン アーバンギャルド/松永天馬のA研!)
薄暗闇が終始美しい映画だった。裸電球と炬燵の光に晒される素肌と陰影。ココロとカラダを温めあうのが下手くそ過ぎる悲しい人間たち。誰もいない夜明けの新宿通りのカットはハタチの時の自分の視線ではないかと錯覚した。
宙也(ミュージシャン アレルギー/De-LAX/LOOPUS)
デビュー作にして、すでに寿保度数120%の傑作! 瑞々しいボーイミーツガールの物語を、問答無用の過激な暴力と流れ落ちる血の鮮烈さが彩る。ゲリラ撮影の80年代新宿の、人が溢れながらも冷ややかな光景が最高!
真魚八重子(映画評論家)