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¥3,800(税抜)

第三夫人と髪飾り

愛憎、哀しみ、裏切り、希望-。移りゆく季節、色づく予感。女たちの思いが絡み合う。東洋の美を湛える秘境に語り継がれてきた、ある一族の運命に翻弄された出会いと別れのファミリーヒストリー。



■DVD版の予告編は こちら



ベトナムの世界遺産を舞台に、巨匠たちが才能を絶賛する新鋭監督がタブーに斬り込み、
絶賛と物議が入り乱れた衝撃のデビュー作。



第三夫人と髪飾10.jpg第三夫人と髪飾り_サブ1.jpg第三夫人と髪飾り_サブ3.jpg第三夫人と髪飾り_サブ6.png

【DVD特典】
 縮尺再編集版パンフレット

19世紀の北ベトナム。14歳のメイは絹の里を治める富豪のもとに、三番目の妻として嫁いでくる。穏やかでエレガントな第一夫人には息子がひとり、美しく魅惑的な第二夫人には娘が三人いたが、一族にはさらなる男児の誕生が待ち望まれていた。 やがて、まだ無邪気だったメイは、この家では世継ぎを産んでこそ“奥様”になれることを知る。若き第三夫人がやってきたことで静かな里はさざめきたち、女たちのドラマが幕を開けるのだった──。

舞台となる地は、2014年に世界遺産として登録され、世界中から観光客が訪れるベトナムの秘境ニンビン省チャンアン。輝く竹の翠、ランタンに灯る光、石を打つ雨だれの滴、女たちの纏うアオザイの色彩・・・、スクリーンには壮大な自然を背景に東洋の美が映し出されていく。
初夜の儀、甘美な秘めごと、禁断の愛など、エロティックな描写さえも絵画的な美しさを湛え、観る者を陶然とさせる。第一夫人のハにはトラン・アン・ユン監督作の常連で、妻でもあるトラン・ヌー・イエン・ケー。たおやかながら芯の強さを見せる、抑えた演技が光る。第二夫人スアン役のマイ・トゥー・フオンは、モデル出身で歌手としても活躍しており、冒頭の宴のシーンではその魅惑的な歌声を披露。そして第三夫人メイには映画初出演となるグエン・フオン・チャー・ミー。難しい役どころながら、メイの心の機微を見事に体現し圧倒的だ。また使用人のラオには『シクロ』『夏至』で知られる名バイプレーヤー、グエン・ニュー・クインが扮し、夫人たちを支えている。また、本国ベトナムでは物議を醸し、公開4日で上映中止となった衝撃作。

世界の巨匠たちがその才能を絶賛する新鋭監督アッシュ・メイフェア。 スパイク・リーが脚本に惚れ込み、 トラン・アン・ユン(『青いパパイヤの香り』『『夏至』『ノルウェイの森』)が美術監修をつとめた衝撃のデビュー作。


【スタッフ】
脚本・監督:アッシュ・メイフェア
製作:チャン・ティ・ビック・ゴック、アッシュ・メイフェア
エグゼクティブ・プロデューサー:ダン・ティ・ホアン・イェン、ダン・タイン・タム
撮影:チャナーナン・チョートルンロート
美術:ドー・チョン・アン
衣装:チャン・フオン・ターオ
作曲:トン・タット・アン
美術監修:トラン・アン・ユン(『青いパパイヤの香り』『夏至』『ノルウェイの森』)
字幕翻訳:原田りえ

【キャスト】
トラン・ヌー・イエン・ケー(『青いパパイヤの香り』『シクロ』『夏至』)
マイ・トゥー・フオン、グエン・フオン・チャー・ミー、グエン・ニュー・クイン、レ・ヴー・ロン

©copyright Mayfair Pictures.

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推薦コメント〉

 あの男は満員の痴漢電車の乗客だった。車内エキストラのくせに「この後、撮影をを見学してもいいですか?」と終日撮影にまとわりつき、いつの間にか獅子プロにもぐり込んでいた。普段はマジメで寡黙・が・酒が入ると訳のわからぬ大法螺吹きに大変身、失敗多数。つくづくアウトプット下手なれど、思いを打ちまけたデビュー作で見事に意気衝天!
観る側にもエネルギーを求める佐藤寿保映画の初号試写で感心したことを思い出した。
滝田洋二郎(映画監督)

 20才代の頃、佐藤寿保さんの映画の助監督をつとめた。ツラかったが、なぜか嫌な思い出じゃない。どちらかというと自慢したい。佐藤寿保さんは変わらない。「止まっているってことと、変わらないってことは違うんだ」寿保さんのことを考えるといつも故PANTAさんの言葉を思い出す。羨ましいと思う。その原点である映画が新たに陽の目を見る。祝福です!
瀬々敬久(映画監督)

 ピンク映画はセックスではなく不能と鬱屈を描くものであり、鬱屈と暴力は若者の特権だ。『激愛!ロリータ密猟』の誰よりも深い絶望は、いまなお我らの胸をかきむしる。
柳下毅一郎(映画評論家/翻訳家)

 嫌な気持ちにさせてくれるディテール。しかし気づくとスッキリさせてくれる。ざっくりと言えば「ヒドイ」映画なのだが、この『激愛!ロリー密猟』の場合それが最上級の褒め言葉にいつしか化けてしまう、とにかくヒドイ映画。必見!
根本敬(特殊漫画家)

 この映画を観て映画制作を志したと云っても過言ではない名作中の名作。
小林良二(映画プロデューサー)

 コンプラ遵守、ジェンダー平等、ハードコア・ポリコレな21世紀の現代に、時空の裂け目が生じ、20世紀の闇から堕ちてきたピンク色の歪な残像!!!!! こんな奇想の封印を解くなんて、不適切にもほどがある!!!!!!!
宇川直宏(“現在”美術家/DOMMUNE主宰)

 陰鬱とした狂気が棲む地下の部屋。新宿の強烈な眩しさ。赤いハイヒールに流れる血。シャッターを切り自ら脱ぐ伊藤清美さんに全身をぶち抜かれた。この作品を見たばっかりに、佐藤寿保作品を求めいまだ亡霊のように彷徨い続けている。
遠藤倫子 (映画zine ORGARM発行人)

 私には「死んだら棺桶に入れるものリスト」がある。
そこにこの映画のタイトルを記す夢が叶った。
だからもう、いつ死んでもいい。
シブヤメグミ (バー浮かぶ・二代目店主)

 淫乱と暴力と初期衝動!
 ノイズやパンク、ロックに造詣が深いところにも衝撃を受けました。
そんな寿保監督のデビュー作が家で観られるなんて!
中原昌也(ミュージシャン/文筆家/映画評論家)

 孤独で混乱した精神の前に、無邪気な人々が行き交う雑踏のどれほど残酷なことか。1985年、バブル直前の新宿に、決して救われ得ない2つの魂が交錯するとき、血と淫欲が〈イノセンス〉を塗り潰す! 身を立て! 名をあげ! やよ励めよ! 真の解放はいつも、血まみれのイニシエーションの先にしか残されていないのだから。
髙橋ヨシキ(アートディレクター/映画評論家/サタニスト)

 私が20歳だった頃の新宿が舞台。毎日のように新宿にいた頃。観ているうちに当時の頭の中をのぞいているような気分になった。不安と根拠のない自信のカオス。ラスト近くのヒロインが不思議な美しさだった。
古市コータロー(ミュージシャン)

 かつてピンク映画館なるものが街中にあった頃、青少年たちは自分の内に秘めた性衝動を、暴力を、妄想を、青暗いスクリーンの中に投影させていた。
 じっとり湿ったシートを、男女のまぐわいを照らし出すぼんやりとした映写機の明かりを、そのやりきれなさを。
 すべて爆発させるために、パンクするしかなかった。
 映画館を、新宿を、狂った触覚がパンクする。
松永天馬(ミュージシャン アーバンギャルド/松永天馬のA研!)

 薄暗闇が終始美しい映画だった。裸電球と炬燵の光に晒される素肌と陰影。ココロとカラダを温めあうのが下手くそ過ぎる悲しい人間たち。誰もいない夜明けの新宿通りのカットはハタチの時の自分の視線ではないかと錯覚した。
宙也(ミュージシャン アレルギー/De-LAX/LOOPUS)

 デビュー作にして、すでに寿保度数120%の傑作! 瑞々しいボーイミーツガールの物語を、問答無用の過激な暴力と流れ落ちる血の鮮烈さが彩る。ゲリラ撮影の80年代新宿の、人が溢れながらも冷ややかな光景が最高!
真魚八重子(映画評論家)