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「エロ事師たち」より 人類学入門

世界的映画監督 イマヘイこと今村昌平<1926年- 2006年>。そんなイマヘイの流通しておらず視聴困難な状況にあった初期傑作群を新装復刻するシリーズのクライマックスは、今村昌平×小沢昭一コンビの頂点であり、小沢昭一の代表作ともなった大傑作!
※HDリマスター

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■エロ事師たちの目を通して浮かび上がる日本社会の底の底でうごめく性と生!野坂昭如〔原作〕×今村昌平〔監督〕が作り上げた異色社会喜劇。
■記念すべき今村プロダクション製作第1作。姫田真左久による斬新な撮影、黛敏郎によるシニカルな音楽、イマヘイ組常連俳優たちによる大満足な演技...本作をベストイマヘイ映画に挙げる人が多い人気作。
■本作がデビュー作である初々しくエネルギッシュな近藤正臣の姿が印象的。
◎エロとは人生の一部です。
◎みんなに感謝されながらパクられる 運命の人・エロ事師たち!その喜びと悲しみを通して現代日本に鋭いメスを入れる衝撃の異色喜劇大作!!
◎みんなが喜ぶわてらの商売がなんでいかんのや!パクラレてもへこたれぬエロ事師のド根性!巨匠・今村昌平が再び人生の裏街道にスポットをあてて問題を提起する騒然、型破りのホームドラマ!!
◎“色即是空 空即是色”巨匠・今村昌平がエロ事師の世界を余すことなく描く異色喜劇話題作!!
◎エロを作り、エロを売る エロの元締・エロ事師たち!その姿を執拗に追いつめて、「エロとは何か?」を描く巨匠・今村昌平の問題巨編!!

【スタッフ&キャスト】

監督:今村昌平/原作:野坂昭如/製作:今村プロダクション/企画:友田二郎
脚本:今村昌平、沼田幸二/音楽:黛敏郎/撮影:姫田真左久/照明:岩木保夫
録音:紅谷愃一/美術:高田一郎/編集:丹治睦夫 助監督:磯見忠彦

出演:小沢昭一、坂本スミ子、近藤正臣、佐川啓子、田中春男、中野伸逸、
菅井一郎、園佳也子、菅井きん、北村和夫、浜村純、殿山泰司、ミヤコ蝶々、
西村晃、佐藤蛾次郎 他

公開年:1966年

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推薦コメント〉

 あの男は満員の痴漢電車の乗客だった。車内エキストラのくせに「この後、撮影をを見学してもいいですか?」と終日撮影にまとわりつき、いつの間にか獅子プロにもぐり込んでいた。普段はマジメで寡黙・が・酒が入ると訳のわからぬ大法螺吹きに大変身、失敗多数。つくづくアウトプット下手なれど、思いを打ちまけたデビュー作で見事に意気衝天!
観る側にもエネルギーを求める佐藤寿保映画の初号試写で感心したことを思い出した。
滝田洋二郎(映画監督)

 20才代の頃、佐藤寿保さんの映画の助監督をつとめた。ツラかったが、なぜか嫌な思い出じゃない。どちらかというと自慢したい。佐藤寿保さんは変わらない。「止まっているってことと、変わらないってことは違うんだ」寿保さんのことを考えるといつも故PANTAさんの言葉を思い出す。羨ましいと思う。その原点である映画が新たに陽の目を見る。祝福です!
瀬々敬久(映画監督)

 ピンク映画はセックスではなく不能と鬱屈を描くものであり、鬱屈と暴力は若者の特権だ。『激愛!ロリータ密猟』の誰よりも深い絶望は、いまなお我らの胸をかきむしる。
柳下毅一郎(映画評論家/翻訳家)

 嫌な気持ちにさせてくれるディテール。しかし気づくとスッキリさせてくれる。ざっくりと言えば「ヒドイ」映画なのだが、この『激愛!ロリー密猟』の場合それが最上級の褒め言葉にいつしか化けてしまう、とにかくヒドイ映画。必見!
根本敬(特殊漫画家)

 この映画を観て映画制作を志したと云っても過言ではない名作中の名作。
小林良二(映画プロデューサー)

 コンプラ遵守、ジェンダー平等、ハードコア・ポリコレな21世紀の現代に、時空の裂け目が生じ、20世紀の闇から堕ちてきたピンク色の歪な残像!!!!! こんな奇想の封印を解くなんて、不適切にもほどがある!!!!!!!
宇川直宏(“現在”美術家/DOMMUNE主宰)

 陰鬱とした狂気が棲む地下の部屋。新宿の強烈な眩しさ。赤いハイヒールに流れる血。シャッターを切り自ら脱ぐ伊藤清美さんに全身をぶち抜かれた。この作品を見たばっかりに、佐藤寿保作品を求めいまだ亡霊のように彷徨い続けている。
遠藤倫子 (映画zine ORGARM発行人)

 私には「死んだら棺桶に入れるものリスト」がある。
そこにこの映画のタイトルを記す夢が叶った。
だからもう、いつ死んでもいい。
シブヤメグミ (バー浮かぶ・二代目店主)

 淫乱と暴力と初期衝動!
 ノイズやパンク、ロックに造詣が深いところにも衝撃を受けました。
そんな寿保監督のデビュー作が家で観られるなんて!
中原昌也(ミュージシャン/文筆家/映画評論家)

 孤独で混乱した精神の前に、無邪気な人々が行き交う雑踏のどれほど残酷なことか。1985年、バブル直前の新宿に、決して救われ得ない2つの魂が交錯するとき、血と淫欲が〈イノセンス〉を塗り潰す! 身を立て! 名をあげ! やよ励めよ! 真の解放はいつも、血まみれのイニシエーションの先にしか残されていないのだから。
髙橋ヨシキ(アートディレクター/映画評論家/サタニスト)

 私が20歳だった頃の新宿が舞台。毎日のように新宿にいた頃。観ているうちに当時の頭の中をのぞいているような気分になった。不安と根拠のない自信のカオス。ラスト近くのヒロインが不思議な美しさだった。
古市コータロー(ミュージシャン)

 かつてピンク映画館なるものが街中にあった頃、青少年たちは自分の内に秘めた性衝動を、暴力を、妄想を、青暗いスクリーンの中に投影させていた。
 じっとり湿ったシートを、男女のまぐわいを照らし出すぼんやりとした映写機の明かりを、そのやりきれなさを。
 すべて爆発させるために、パンクするしかなかった。
 映画館を、新宿を、狂った触覚がパンクする。
松永天馬(ミュージシャン アーバンギャルド/松永天馬のA研!)

 薄暗闇が終始美しい映画だった。裸電球と炬燵の光に晒される素肌と陰影。ココロとカラダを温めあうのが下手くそ過ぎる悲しい人間たち。誰もいない夜明けの新宿通りのカットはハタチの時の自分の視線ではないかと錯覚した。
宙也(ミュージシャン アレルギー/De-LAX/LOOPUS)

 デビュー作にして、すでに寿保度数120%の傑作! 瑞々しいボーイミーツガールの物語を、問答無用の過激な暴力と流れ落ちる血の鮮烈さが彩る。ゲリラ撮影の80年代新宿の、人が溢れながらも冷ややかな光景が最高!
真魚八重子(映画評論家)