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「テント劇場」より 盗まれた欲情+西銀座駅前(2in1)
日本人で唯一、カンヌ映画祭最高賞「パルム・ドール」を2度受賞した世界的映画監督 今村昌平<1926年- 2006年>。彼の偉大な足跡を老若男女問わず多くの映画ファンに届けます。過去にDVDとして発売されるも廃盤&高額プレミア化、レンタルDVDとして流通しておらず視聴困難な状況にあった初期傑作群を新装DVDリリース&レンタル開始!
その第一弾は記念すべき監督デビュー作『盗まれた欲情』に歌謡映画『西銀座駅前』をカップリング。
※2作とも助監督は後の名監督、浦山桐郎
※HDリマスター
予告編はこちらをご覧ください 予告編
◆「テント劇場」より 盗まれた欲情
■今村昌平、記念すべきデビュー作(ブルーリボン賞新人賞受賞)
■若さとエネルギーに満ちた田園の喜劇(今村昌平)
■とにかくこの世は色と欲・・・異色の作家今東光と鬼のイマヘイが描く泣き笑い人間模様!
■楽屋の女風呂にしのび寄る村の若衆・・・・・・村娘を疼かせるドンファン役者・・・・・片田舎の村人と旅役者がまき起こす艶笑色気合戦譜!!
■渡り鳥のように賑やかに来ては、淋しく去って行く旅役者の一座の生態を描きながら、片田舎の村にあって、旅役者と村人がまき起こす色と欲にまつわる人間模様を笑いとペーソスで描く艶笑篇。
◎ロケ地<大阪府>大阪市(大阪城、大阪市街全景、新世界(ジャンジャン横丁、映画館通り、通天閣、同展望台)/高安村(現・八尾市)/<埼玉県>高麗村(現・日高市)
公開年度:1958 年
◆西銀座駅前
■魅惑の低音で人気者だったフランク永井が活躍するゴキゲン歌謡映画。監督はなんと鬼のイマヘイ!
■いかすじゃないか西銀座、これがおいらの口癖さ・・・フランク・永井が囁く甘い歌声にのせて贈るにっかつ歌謡映画決定版!
■「ABC XYZ これがおいらの口癖さ」フランク永井の魅惑の低音ヒットメロディにのせて、恋のメッカ、モダンなアベニュー、西銀座にくりひろげられる、恋と笑いの小粋な映画。
■音楽の中川洋一は黛敏郎の変名。
■今村昌平が「会社からの命令で嫌々作った」と言いながらも、ウエルメードな歌謡映画に仕上げた逸品。
■出演はフランク永井のほか、柳沢真一、小沢昭一、西村晃、山岡久乃、初井言栄を揃えた豪華・異色メンバー。
◎ロケ地<東京都>中央区(西銀座周辺、地下鉄西銀座駅(現・丸の内線銀座駅)昇降口、スキヤ橋センター・中央通路、銀座通り)/港区(竹芝桟橋、旧品川燈台付近)
公開年度:1958 年
【スタッフ】
◎『「テント劇場」より 盗まれた欲情』
監督:今村昌平/企画:大塚和/原作:今東光(「テント劇場」)
脚本:鈴木敏郎/音楽:黛敏郎/撮影:高村倉太郎/助監督:浦山桐郎
◎『西銀座駅前』
監督・原案・脚本:今村昌平/企画:茂木了次
音楽:中川洋一(黛敏郎)/撮影:藤岡粂信/助監督:浦山桐郎
【キャスト】
◎『「テント劇場」より 盗まれた欲情』
長門裕之、香月美奈子、南田洋子、滝沢修、西村晃、高原駿雄、小笠原章二郎、
小沢昭一、柳沢真一、喜多道枝、菅井きんほか
◎『西銀座駅前』
出演:フランク永井、柳沢真一、山岡久乃、山根寿子、島津雅彦、
西村晃、小沢昭一ほか"
※映像特典:劇場用予告編
※封入特典:プレスシート縮尺再編集版
推薦コメント〉
あの男は満員の痴漢電車の乗客だった。車内エキストラのくせに「この後、撮影をを見学してもいいですか?」と終日撮影にまとわりつき、いつの間にか獅子プロにもぐり込んでいた。普段はマジメで寡黙・が・酒が入ると訳のわからぬ大法螺吹きに大変身、失敗多数。つくづくアウトプット下手なれど、思いを打ちまけたデビュー作で見事に意気衝天!
観る側にもエネルギーを求める佐藤寿保映画の初号試写で感心したことを思い出した。
滝田洋二郎(映画監督)
20才代の頃、佐藤寿保さんの映画の助監督をつとめた。ツラかったが、なぜか嫌な思い出じゃない。どちらかというと自慢したい。佐藤寿保さんは変わらない。「止まっているってことと、変わらないってことは違うんだ」寿保さんのことを考えるといつも故PANTAさんの言葉を思い出す。羨ましいと思う。その原点である映画が新たに陽の目を見る。祝福です!
瀬々敬久(映画監督)
ピンク映画はセックスではなく不能と鬱屈を描くものであり、鬱屈と暴力は若者の特権だ。『激愛!ロリータ密猟』の誰よりも深い絶望は、いまなお我らの胸をかきむしる。
柳下毅一郎(映画評論家/翻訳家)
嫌な気持ちにさせてくれるディテール。しかし気づくとスッキリさせてくれる。ざっくりと言えば「ヒドイ」映画なのだが、この『激愛!ロリー密猟』の場合それが最上級の褒め言葉にいつしか化けてしまう、とにかくヒドイ映画。必見!
根本敬(特殊漫画家)
この映画を観て映画制作を志したと云っても過言ではない名作中の名作。
小林良二(映画プロデューサー)
コンプラ遵守、ジェンダー平等、ハードコア・ポリコレな21世紀の現代に、時空の裂け目が生じ、20世紀の闇から堕ちてきたピンク色の歪な残像!!!!! こんな奇想の封印を解くなんて、不適切にもほどがある!!!!!!!
宇川直宏(“現在”美術家/DOMMUNE主宰)
陰鬱とした狂気が棲む地下の部屋。新宿の強烈な眩しさ。赤いハイヒールに流れる血。シャッターを切り自ら脱ぐ伊藤清美さんに全身をぶち抜かれた。この作品を見たばっかりに、佐藤寿保作品を求めいまだ亡霊のように彷徨い続けている。
遠藤倫子 (映画zine ORGARM発行人)
私には「死んだら棺桶に入れるものリスト」がある。
そこにこの映画のタイトルを記す夢が叶った。
だからもう、いつ死んでもいい。
シブヤメグミ (バー浮かぶ・二代目店主)
淫乱と暴力と初期衝動!
ノイズやパンク、ロックに造詣が深いところにも衝撃を受けました。
そんな寿保監督のデビュー作が家で観られるなんて!
中原昌也(ミュージシャン/文筆家/映画評論家)
孤独で混乱した精神の前に、無邪気な人々が行き交う雑踏のどれほど残酷なことか。1985年、バブル直前の新宿に、決して救われ得ない2つの魂が交錯するとき、血と淫欲が〈イノセンス〉を塗り潰す! 身を立て! 名をあげ! やよ励めよ! 真の解放はいつも、血まみれのイニシエーションの先にしか残されていないのだから。
髙橋ヨシキ(アートディレクター/映画評論家/サタニスト)
私が20歳だった頃の新宿が舞台。毎日のように新宿にいた頃。観ているうちに当時の頭の中をのぞいているような気分になった。不安と根拠のない自信のカオス。ラスト近くのヒロインが不思議な美しさだった。
古市コータロー(ミュージシャン)
かつてピンク映画館なるものが街中にあった頃、青少年たちは自分の内に秘めた性衝動を、暴力を、妄想を、青暗いスクリーンの中に投影させていた。
じっとり湿ったシートを、男女のまぐわいを照らし出すぼんやりとした映写機の明かりを、そのやりきれなさを。
すべて爆発させるために、パンクするしかなかった。
映画館を、新宿を、狂った触覚がパンクする。
松永天馬(ミュージシャン アーバンギャルド/松永天馬のA研!)
薄暗闇が終始美しい映画だった。裸電球と炬燵の光に晒される素肌と陰影。ココロとカラダを温めあうのが下手くそ過ぎる悲しい人間たち。誰もいない夜明けの新宿通りのカットはハタチの時の自分の視線ではないかと錯覚した。
宙也(ミュージシャン アレルギー/De-LAX/LOOPUS)
デビュー作にして、すでに寿保度数120%の傑作! 瑞々しいボーイミーツガールの物語を、問答無用の過激な暴力と流れ落ちる血の鮮烈さが彩る。ゲリラ撮影の80年代新宿の、人が溢れながらも冷ややかな光景が最高!
真魚八重子(映画評論家)