DIGS-1024
構成:小川紳介
三里塚を離れ、他の土地での映画撮影を模索する小川プロが次に選んだ場所は、東京の山谷、大阪の釜ヶ崎と並ぶ日本三大寄せ場・ドヤ街の横浜・寿町だった--この地で小川プロの若いスタッフたち(平均年齢27歳)が1年間近く泊まり込み、徹底して聞き撮りした入魂の一作。貧困、差別、偏見、孤独、病、絶望、怒り、悲しみ、そして「野垂れ死に」がごく当たり前に存在する“どん詰まりの行き詰まり”の状況の中で労働者たちは語る、自分史を、そしてわずかな希望を・・・
前科者、片足を失った者、筋ジストロフィー患者、酒を離せない者、仕事にあぶれた者、在日韓国人、マグロ(強盗)に遭った者、いつの間にか死んだ者、まもなく死ぬ者、“どっこい”は“どっこい生きていた”の“どっこい”だ!
-スイス・ニヨン国際映画祭銀賞受賞-
この映画にはいくつかの“自分史”が語られるわけだけど、あそこにいる人には濃縮された人生がある、それをわれわれは知りたかった。それはその人しか持っていない“自分史”だ、他の誰にも受け渡すことができないもんじゃないか、その中にこそ最大のドラマがある、それをかなり意図的に撮ったわけだ。<公開時の土本典昭監督の言葉>